Excelで車両管理をはじめる — 誰が入力し、いつ締めて、いつ捨てるか
社用車の記録をExcelで回すことになった総務・事務の方へ。様式例は警察と国土交通省が配っています。帳票ごとに電子で持てる条件が違うこと、誰が入力するのか、月末に写しを固める手順、年限が来たファイルの外し方までを順に。
社用車の記録をExcelで回すことになった総務・事務の方へ。様式例は警察と国土交通省が配っています。帳票ごとに電子で持てる条件が違うこと、誰が入力するのか、月末に写しを固める手順、年限が来たファイルの外し方までを順に。
社用車の記録をExcelで回すことになったとき、一から作る必要はありません。
埼玉県警察のホームページで配られている酒気帯び確認記録表は、Excelファイルです。ダウンロードして事業所名を入れれば、その日から使えます。国土交通省も日常点検表の様式例をExcelで公開しています。
困るのは、その先です。3か月あとには、ファイルが誰かのデスクトップにあり、先月分は名前を変えて別の場所にあり、どれが最新なのか分からなくなります。
先に決めておく必要があるのは、シートの中身より誰が入力するかです。
| 誰が | 何を |
|---|---|
| 安全運転管理者 | 運転者の状態を確認する。この確認は運転者本人ではできません |
| 運転者 | 検知器で測り、結果を報告する |
| あなた(総務・事務) | ブックを作り、置き場を決め、月末に締め、年限が来たら外す |
酒気帯び確認の記録には確認者名の欄があります(記録する項目は はじめてのアルコールチェック記録簿 に)。運転者が自分の欄を埋める運用にする場合でも、確認した人の名前が入る形にしてください。
入力を1人に寄せるかどうかも、ここで決めます。 ファイルサーバーに置いたブックは、2人目から読み取り専用になります。全員に開かせる運用にすると、朝の時間帯に待ちが生まれます。
「Excelでいいのか」の答えは、帳票によって変わります。
| 帳票 | Excelで持てるか |
|---|---|
| 酒気帯び確認の記録 | 紙でも電子データでもよい |
| 運転日誌 | 電磁的方法で記録できる(必要に応じ直ちに表示できること) |
| 点検整備記録簿 | 電子でもよいが、検査を受けるときは書面で提示する |
3つ目の点検整備記録簿が引っかかります。これは車に備え置くものなので、事務所の共有フォルダに置いたままにして、車から見られない状態にはできません。運輸支局・自動車検査登録事務所・軽自動車検査協会の窓口で検査を受けるときには、書面が必要になります。
なお、電子帳簿保存法はこれらの帳票には及びません。 同法が対象にしているのは国税に関する書類なので、酒気帯び確認の記録や運転日誌は入りません。一方で、ガソリン代の領収書やETCの利用明細、リース契約書は国税関係の書類にあたるので、そちらは別に考えることになります。

3つの帳票を1枚の表に詰め込みたくなりますが、分けたほうがあとで楽になります。
自動車点検の結果、正常な運転ができないおそれの確認の結果、酒気帯び確認の結果は、それぞれ別の様式に記録して差し支えないとされています。混ぜて困るのは、義務のある記録とそうでない記録が同じ表に並ぶことと、捨てる日がそろわないことです。
満期の確認も、この名簿シートで行います。 台帳から写した車検と自賠責の満了日を1列ずつ置いておき、月初にその2列を並べ替えて、当月と翌月に来るものだけを見ます。どの欄を台帳に持たせるかは 車両管理台帳をはじめて作る人へ にあります。
運転者名と車のナンバーを手で打つと、表記がゆれます。「田中」と「田中 」(末尾に空白)が別人になり、あとで集計できません。
名簿シートを作って、入力規則のリストから選ぶ形にしてください。これだけで、あとの集計が成り立つかどうかが変わります。
日付も同じです。手入力を許すと、文字列として入った日付は、並べ替えが正しく働きません。
生きているブックは、あとから何行でも書き換えられます。そのままでは、その月の記録がいつの時点のものか分からなくなります。
月末に、次の3手を踏んでください。
この3手はカレンダーに入れておかないと飛びます。 飛んだ月は、いつまでも書き換えられる状態のまま残ります。
保管の年限は帳票ごとに違います。
年限が違うので、帳票を混ぜた表は、いちばん長い年限まで残すことになります。 帳票ごとにファイルを分けておけば、年限の来たものから外せます。
月ごとのファイルが確定用フォルダに並んでいれば、保管の年限を過ぎたものから、古い順に外すだけで済みます。
共有フォルダに1つのブック よく見かける形です。置き場が1か所に決まっていれば、どこにあるか迷いません。2人目から読み取り専用になるので、入力する人を絞る前提になります。
クラウドのスプレッドシート 複数人が同時に開けます。直行直帰の運転者が自分で入力する運用にしやすい反面、誰でも過去の行を書き換えられるので、月末の確定をより丁寧に行う必要があります。
担当者のパソコンに置いたまま 実際にはこれが少なくありません。担当者が休んだ日と、担当が代わったときに止まります。
ファイルの置き場を1か所に決める デスクトップに置かない。共有フォルダのどこか、を先に決めます。
ファイル名に年月を入れる 「アルコールチェック記録_2026-09.xlsx」の形にしておくと、並べ替えるだけで古い順になります。
入力する人を決めて、休んだ日の代わりも決める 入力を1人に寄せる場合、その1人が休んだ日の記録が翌日に回ります。
先に開いた人が編集でき、2人目からは読み取り専用になります。同時に入力させたい場合は、クラウドのスプレッドシートを使うか、報告を受けた人がまとめて入力する形にしてください。
書き換えられないことを重視するならPDFです。あとで集計し直す可能性があるならExcelを読み取り専用にして残します。どちらでも構いませんが、決めたらそろえてください。混ざると、探すときに迷います。
月ごとに確定した写しを別ファイルで残しておけば、その月の姿はそこで固まります。生きているブックのほうで直したい行が出たら、確定済みの写しには手を入れず、訂正の行を足してください。なお、更新履歴の自動記録や改ざん防止の措置は、整備工場向けのガイドラインが求めているもので、社用車を使う会社の側には求められていません。
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根拠: 安全運転管理者業務の拡充(埼玉県警察)(様式例・記録の項目)/道路交通法施行規則(e-Gov)(酒気帯び確認の記録と1年間の保存=第9条の10第7号、運転日誌の電磁的方法=第9条の10の2)/点検整備の種類(国土交通省)(記録簿の保管年限)
置き場、入力する人、締める日、捨てる日。この4つを最初に決めてしまえば、あとは毎月同じ作業になります。 様式は配られているものを使えるので、作る手間はほとんどかかりません。
残るのは、その形を人が保ち続ける仕事です。月末に書き出して、読み取り専用にして、確定用のフォルダへ入れる。飛んだ月は、あとから固め直せません。入力を1人に寄せていれば、その人が休んだ日の記録は翌日に回ります。
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