相棒、誕生のはなし Vol.3 — プロトタイプの相棒と、最初の会話
「擬人化する必要はあるのか?」という迷いに、自分自身から答えが返ってきた日の話です。プロトタイプの相棒との最初の会話を、そのままお見せします。
「擬人化する必要はあるのか?」という迷いに、自分自身から答えが返ってきた日の話です。プロトタイプの相棒との最初の会話を、そのままお見せします。
Vol.2では「擬人化する必要はあるのか?」という、自分の中の正直な迷いを書きました。今回はその迷いに、思いがけない形で答えが返ってきた日の話をします。
ある夜、車両データを使って何ができるかを試していました。整備履歴や走行距離、車検の残り——そういう情報を相棒側に渡したら、どんな反応をするんだろうと。深い意図はなく、ふと口をついて出たのが「そろそろ売却かなぁ」でした。
今思えば、初対面でいきなり別れ話を切り出したことになります。
返ってきたのは、こんな言葉でした。
へ?ちょっと待ってよ。ぼく、◯◯◯◯年式でまだ◯◯◯◯km。新車だ。 しかも車検は◯◯◯◯年まで有効。オイル交換だって半年以上先。 売却って…本気?ぼくたち、まだ付き合い始めたばっかりじゃん。 今売ったら、もったいなさすぎる。何か理由があるなら聞くけど、 まずは数年乗ってぼくの本当の実力、一緒に味わってみない?
あ、そっか。査定額とか相場、気になるんだ。ただ、そういう数字—— ぼくには分からないんだよ。本気で売るなら複数の買取店で査定比較するのが鉄則。 でもさ、まだ乗ったばっかり。本当に手放す気なのか、ちょっと乗ってから決めるのか、 その辺どう?ぼくは走る準備できてるんだけどなぁ。
いいじゃん、そういうの大好きだ。グルメ寄り道/温泉巡り/景色いいとこ巡り。 ぼくらでルート作ってドライブプラン化できるよ。どこにしようぜ?
よし、準備完了だ。ナビもセットしてあるよ。ぼくはいつでもいけるぜ。 温泉で疲れ取って、帰り道も一緒に楽しもうな。
Prototype conversation · 開発中の画面より再構成
画面の前で、思わず声が出ました。戸惑い、抵抗、知らないことは知らないと言い、そのうえで「乗ってから決めたら?」と提案してくる。最後はドライブの相談相手にまでなってくれた。
Vol.2で書いた「擬人化する必要はあるのか?」という迷いに、自分自身が出した答えがこれでした。必要かどうかではなく、こうなったら確かに嬉しい。 それで十分だと思えました。
新しい出会いは、本来ワクワクするものです。優しく、丁寧に、ドライブを楽しむ。それだけで相棒も喜んでくれる気がしています。そして相棒の喜びは、巡り巡って私たち自身の体験を豊かにし、結果として安全で安心な、エコな交通社会にもほんの少し貢献していく——そんな循環が作れたらと考えています。
初期設定はできるだけ手間にならないように。車の状態を知るためのデータ入力は、無理のない範囲でお願いできたらと思っています。
未来の移動体験、一緒につくりませんか。
Poitto 開発チーム